私たちは普段、自分の体を当たり前のように使っています。
しかし、その仕組みやメカニズムは実に面白く、奥深いものです。
普段は意識しないけれど、体の基本的な「法則」を知り、理解することは、快適な毎日を送るための大切な道しるべになります。

体の法則:『使わなければ、使えなくなる』

この法則は、一見当たり前のように聞こえるかもしれません。
機械や物も、使わずに放置しておくと錆びたり劣化したりして使えなくなりますよね。
例えば、長い間放置した自転車に乗ろうとして、動かなくて困った経験がある人もいるのではないでしょうか?私も同じような経験があります。

どんな物でも使わなければ使えなくなるのと同様に、私たちの体も使わなければ使えなくなってしまうのです。つまり、「動かさない体は、動かなくなる」ということ。

体のことになるとピンとこない方もいるかもしれませんが、骨折を経験した方ならよく分かるかもしれません。
骨折でギプスなどで固定していた関節は、動かさない期間が長いため固まってしまいます。
筋肉も細く、弱くなってしまうことも。固まってしまった筋肉や関節を元の状態に戻すには、リハビリでしっかりと動かすことが必要になります。

この「動かす」ということは、骨折の後遺症に限らず、手術後の早期回復のためにも欠かせません。
動かすことがリハビリの基本であり、体の機能回復を促してくれるのです。
しかし、リハビリを怠ったり、「動かすのが怖い」と自分で動かすのを避けてしまったりすると、関節はどんどん固まり、本当に動かなくなってしまいます。

「動かさない」ことの現実:過去の経験から

私がリハビリ室で働いていた頃の話です。
ある高齢の患者さんで、手首を骨折したにもかかわらず、リハビリもせずに半年近く動かしていなかった方に出会いました。
初めて診た時、その方はほとんど指を動かせない状態でした。
リハビリ施設のない整形外科を受診され、動かす指導も受けていなかったため、何もせずに過ごされていたそうです。

数ヶ月間、マッサージと可動域を広げる運動療法を続けた結果、ある程度まで動かせるようにはなりましたが、それでも違和感が残ってしまいました。

このように、体を動かさないでいると、現実にこうした問題が起こってしまうのです。

日常にも潜む「不動のリスク」

これは骨折の例ですが、実は日常生活でも同じようなことが起こっています。

例えば、長時間同じ姿勢で座りっぱなしだったり、じっと動かなかったりすること。
一日中テレビを見て座っている高齢者の方の腰が曲がっているのを見たことがあるかもしれません。
これは、動かす範囲が狭くなっていることで、動かしていない範囲で癒着(ゆちゃく)や硬結(こうけつ)が起き、関節の可動域が狭まってしまうためです。

人間の感覚は意外といい加減で、可動域が狭くなってもなかなか気づきにくいものです。
徐々に体が固まっていっても、なかなか認識できません。
「体が硬いね」くらいで済んでいればまだしも、動かしにくい、不自由に感じる、さらには体が曲がっている、といった状態になってしまうと、それはもう大きな問題です。

なぜ、体は固まるのか?

では、なぜ動かしていない状態が続くと筋肉や関節は固まってしまうのでしょうか?

それは、筋膜や筋繊維、そして軟部組織が癒着してしまうからです。これにより筋肉が硬くなり、関節が固まってしまうのです。
動いていないものは癒着しやすい、というのは体の外でもよく見られる現象ですが、ここでは体の話に集中しましょう。

筋膜は全身に張り巡らされており、筋繊維一つ一つを包むものもあれば、上腕二頭筋のような特定の筋肉を覆うもの、さらには全身の筋肉を束ね、連動に関わる大きな筋膜もあります。
これらの筋膜が癒着して固まることで、筋肉は硬く細くなり、関節の動きや連動性を失います。
その結果、体全体の動きが悪くなってしまうのです。

さらに、この状態が続くと、神経系の働きにも異常が出始め、動かすことや感覚もどんどん鈍くなっていきます。
あたかも「動かないのが当たり前」のように感じてしまうことも。
まさに、動かしていないものは退化していく、と言えるでしょう。

自分の体を「意識的に動かす」ことの重要性

人はついつい楽をしたがるものなので、体を動かさなくなったり、最低限の動きしかしない傾向があります。
しかし、関節が持つ可動域いっぱいに動かすには、意識的に行う必要があります。
だからこそ、リハビリや体のメンテナンスが必要になるのです。

「第三者の目」で体の状態をチェックする

先ほども述べたように、自分の体の変化にはなかなか気づきにくいものです。
体が可動域ギリギリまで動いているか、体の癖がないかなど、チェックしてくれる第三者の目があると非常に有効です。

  • 骨折などの大きな怪我や手術後であれば、保険でリハビリを受けられる病院が良いでしょう。
  • 体操教室や運動をされている方は、コーチなどに動きを見てもらうのも良い方法です。
  • もちろん、専門の治療院やメンテナンス施設を利用するのも賢い選択です。

もし自分で何とかしたいのであれば、体を動かしている状態を鏡で見てみたり、動画に撮って客観的にチェックしてみるのも良いでしょう。

日常でできること:関節を「いっぱいいっぱい」動かす!

体を動かす際のポイントは、関節の動く範囲を「いっぱいいっぱい」に動かしてあげることです。
腕がどこまで動くか、肘がどこまで曲がるかなど、自分でチェックしながら、関節の限界まで動かすことが重要です。

もちろん、自分で意識して動かすことも大切ですが、やはりプロの「第三者の目」に勝るものはありません。
しっかりと体の状態をチェックし、適切なメンテナンスをしてくれる場所を見つけることをお勧めします。

まとめ

  • 使わないものは使えなくなる。
  • 動かさない体は動けなくなる。
  • 動かさないでいると体は固まる。

日々の快適な生活のためにも、運動パフォーマンスや体のコンディション維持のためにも、そして将来の健康のためにも、体を意識的に動かし続けることを忘れないでください。

【 ご予約・お問い合わせ 】

お電話でのご予約・お問い合わせはこちら
0422-38-7387

《予約制・当日予約もOK》
受付時間:10:00~20:00

【定休日:水曜日】
月に2日ほど木曜に不定休日があります
営業日のご案内をご確認ください

受付時間
10:00~20:00

マッサージ 整体 
みたか治療院

 三鷹駅北口より徒歩3分

【住所】

〒180-0006
 東京都武蔵野市中町1-25-3
  三鷹オリエント丹野1階

【受付時間】

    10:00~20:00
  20:00~の予約までOK

【定休日】

 水曜日 (不定休日あり)