先日、姿勢の指導をしているときのことです。
某:「姿勢を正しくするには肩を下げるようにするといいのでしょう?」
私「え?そんなわけないでしょう!」
と思わず突っ込んでしまいましたが、
某:「え?テレビで言ってたよ?」
私:「????」
驚きのあまり声を失いました。
本当に驚かされました。
まず、わざわざ肩を下げる必要はありません。
重力に任せておけば腕の重みで肩は下がります。
さらに下げる力を加える必要がどこにあるのでしょうか?
変に力をいれずに、力を抜いているのがいいのです。
むしろ運動するときなどは軽くあがってもいいのです。
「そんな誤った健康情報ある?」とお思いの方も多いと思います。
しかし、そんなことをお思いの方、なんとも思っていない人も
『姿勢を正そうとすると肩を下げている』
という人が多くいらっしゃいます。
これ、実はホント多いのです。
理由の一つは
『肩の力を抜くということが肩を下げる』ことになっている。
こういう人が多いのです。
姿勢や座り方の指導をしているとき、意識的にも無意識でも肩を下げようとしている人が多くいるのです。
これは気づかないうちに肩こりの原因の一つになってます。
昔、「緊張するな!肩の力を抜け!」と肩をグイグイ下げられたことありませんか?
緊張しすぎると肩が上がりガチガチに固まるイメージがあります。
体は活動的になると自律神経の交感神経が働きます。
交感神経の働きで血管収縮、血圧をあげ、筋肉を緊張させます。
活動的になる際に働くのですから、運動機能を上げるために行われます。
血流をあげて活動がしやすいように栄養と酸素を全身に送ります。
筋肉は動きやすいようにある程度の緊張を起こすのです。
わかりやすい感じだと戦うときにはファイティングポーズをとります、これです。
体を軽く丸め、こぶしは軽く握り、腕は体の前に、肩は軽く上がります。
そう、緊張により肩は上がります。
というよりも交感神経が働き活動的になれば肩は軽く上がります。
先ほども言いましたが、肩は軽く上がってもいいというのはこういう理由です。
活動的になるとき、肩は軽く上がります。
しかし、緊張が過ぎれば力が入りすぎて肩は上がりすぎてしまうのです。
私の推測ですが、肩の力を抜くために、肩をグイグイ下げたりすることや、こういった緊張により肩が上がるイメージから、力を抜く=肩を下げるとういうイメージが出来上がったのではないかと考えます。
たしかに、緊張しすぎた状態だと肩は上がりすぎているので下げる必要がありますが、物理的に下方向に力を入れる必要がどこにあるのでしょうか? あるわけないです。
力が入っているものを力を使って下げてどうするのでしょうか?
まずは力を抜くことであって下げる必要はないのです。
肩の力を抜くことは、肩を下げることではないのです。
緊張しすぎていたら、固まっている筋肉をゆるめるために動かす方がいいのです。
ですから、肩を下げるという動きは無意味なのです。
肩を下げる動きは肩の上の筋肉をストレッチする時に使いますが、普段から下げる必要はまったくありません。
肩の力を抜くのも下げるって意味ではないのです!
脱力する、力を抜くというのは結構難しいのです。
水の中だと浮力があるのでわかりやすいです。
しかし普通の状態、大気中ですと感じにくい方がいらっしゃいます。
まずはぶらぶらっとちからが抜けた感じを知ることから始めるといいでしょう。
立った状態、座った状態、寝ている状態でもいいでしょう。
まずは腕を上げて力を抜いて下に落下する感覚を感じることからはじめましょう。
力を抜くというのは重力を感じることとも言えます。
ここで一つ注意。
四十肩・五十肩の場合、腕を支える腱に炎症が起きており、腕を落下させる動きをすると腱を引き延ばし炎症が強くなり症状が悪化する可能性があります。
TVなどの情報は間違ったもの、それから間違って伝わるものが多くあります。
姿勢や体の使い方はTVや動画、ネットなどの情報だけでは間違った解釈をしやすいため、しっかりと教えてもらうことをおススメします。
みたか治療院では姿勢の取り方などの体の使い方を教える『からだのレッスン』を行っております。
肩のどの位置が一番動きやすく効率的か、出来るだけ実感できるように指導をいたします。
体を調整した上で指導を行いますのでよりわかりやすいかと思います。
姿勢指導、体の使い方は施術時間内に行います。
ぜひ、みたか治療院をご利用ください。
- わざわざ肩を下げる必要はありません。
- 活動的になると筋肉は緊張し、肩は軽くあがります。
- 緊張が強すぎると肩が上がりすぎますが、力を抜くことで下げる必要はない。
- 肩の力を抜くことは肩を下げることではない。
- 肩の力を抜くには運動したほうが良い。
- 力を抜くことは重力を感じること。
- 姿勢の指導はみたか治療院で!
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